性風俗産業解説(1)〈●番系〉

風俗街

筆者は下手をするともうウン十年以上日本の性風俗店というものに親しんできましたが、やはりこの業界も随分と変化や流行などがあったりして変遷していってるわけです。
そこで、筆者も今更ながら現在のこの業界を勉強し直す意味もあって、性風俗業界を分類、考察、解説してみたいと思い立ち、現在の姿やその沿革まで含めてまとめてみることとしました。

記事は、(1)「●番系」と、(2)「非●番系」に分け、本稿は(1)の●番系について解説してみたいと思います。
【●=本】

●番系の性風俗業態

前提として、日本では●番サービスのある営業行為をすることは違法です。

●番系風俗を、以下、営業形態として更に大きく4分類して考察してみます(ソープランド・ちょんの間・ホテトル・置屋)。

ソープランド

ソープランドは、浴槽設備のある部屋で、ソープ嬢と呼ばれる女性が男性客に対し性的な●番サービスを行う?性風俗店です。
「ソープ」、「個室付特殊浴場」などとも呼ばれます。
ソープランドという呼び名は1980年代以降のことで、それ以前は「トルコ風呂」、「トルコ」と呼ばれていましたが、元となるトルコ共和国の入浴方式とはまったく異なる意味でこの俗称が日本で使われていることが問題となり呼び名を公に廃止されるに至りました。
ソープランドは、昭和初期頃まで存在した「遊郭」の跡として存在している(していた)ことが多かったため、全国的に、一団の店舗群(いわゆるソープ街)であることが多いようです。

ソープランドは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)に定める店舗型性風俗特殊営業1号とされ、「浴場業の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」とも定義されており、公衆浴場としての条件も満たす必要があります(保健所の検査が行われます)。

上記のように、施設としては法律に定められたオモテ風俗の経営形態ですが、実は●番行為についてはグレーゾーン扱いで、簡単に言えば、「施設経営者のあづかり知らぬところで、サービス中に客とソープ嬢が自由恋愛に発展して行為に及んでしまった」という建前が必要になることがキーポイントとなります。
と言うのも、売春防止法では単純売買春に対する罰則はなく、客と自営業者であるソープ嬢が金銭を介して性交渉を行っても摘発対象になりませんが、施設経営者が客や女性に売春のための場所を提供することは売春防止法でいう「場所提供」、また女性の勤務を管理することは「管理売春」にあたり、それぞれ摘発対象となってしまうということなのです。
尚、入浴料とサービス料を別としたり、ローションや避妊具の管理を嬢の裁量に任せているのも、働く女性は個人事業主であり、店舗経営者が管理売春に関与してないことを明確にするためでもあります。

ちょんの間(ちょいの間)

ちょんの間とは、簡単に言うと、「短い時間で●番行為のできる裏風俗店」の総称です。
事実として存在する業態なのですが、法的(風営法)な分類にもこの業態はありません。
→参考: 風営法による風俗営業等業種の定義

特に関西方面の風俗上級者には慣れ親しんだ用語なのですが、言葉の一般的な定義としては、かつての赤線エリア(GHQによる1946年の公娼廃止指令から1958年の売春防止法の施行までの間に半ば公認で「特殊飲食店」として売春が行われていた地域)や、青線エリア(同左期間に「特殊飲食店」の許可をとらず非合法で売春が行われていた地域)で現に売春営業(旅館・料亭・飲食店・スナックなどの店舗での客と従業員の自由恋愛という名目)している風俗店およびその地区のことを言います。

「売春宿」・「置屋(おきや)」・「遊郭」などとほとんど同義ですが、正確には上述したようにかつての赤線・青線エリアにあるものを特に今は「ちょんの間」と呼んでいるようです。
また、その語源の「ちょっとの間(30分前後)の●番行為」から読み取れるように、基本的に行為の時間が短いのも特徴です(この辺りは昔の遊郭などとは営業方式が異なる)。

その「ちょんの間」が令和のこんにち、半ば公然と存在しているわけですが、言わば日本の性風俗文化の遺物的扱いであり、限りなくブラックに近いグレーゾーンに存在する産業とも言えます。
因みに、上記の「ソープランド」と比較すると、その沿革や存在意義は似ていますが、上述したような法的営業形態が明瞭に異なります。

尚、このちょんの間については、全国的に激減しているものの、地域によっては今なお営々と生きていることもあり、また別稿で取り上げてみたいと思います。

ホテトル

ホテトルは、今ではほとんどオモテでは見られない業種ですが、完全に絶滅したとは言えないのでここでも取り上げます。

ホテトルは、ホテルトルコの略称で、ラブホテルやビジネスホテルなどに女性を派遣し性サービス(●番行為)を行わせる性風俗業態の一つです。
上記のソープランドの項で、かつて「トルコ」の俗称が公的に廃止されたことに触れましたが、ここでは「ホテルソープ」と言う呼び名は根付きませんでした(ホテトルは大前提で違法とされていたことにも因るのかも…)。

お店はホテル近くの公衆電話などに貼り付けられた小さなピンク広告ビラで客を募り、客の電話に対してホテルに女性を派遣し性行為に及ぶという違法行為(売春)営業でした。
まだ携帯電話やインターネットの普及の無かった当時は、タブロイド版夕刊紙などにも紙面を埋め尽くすほどの3行広告出稿があったほどで、都市、地方に関わらずかなり一般的な形態であったはずです。
●番行為を伴わない(はずの)派遣型風俗店、いわゆるデリバリーヘルスが法的に認められるようになってから急減しましたが、今考えると大胆でおおらかな世情を背景とした業態でした。
昭和世代の筆者には、ピンクビラで埋め尽くされた公衆電話ボックス(通常は毎日夕方頃から貼られはじめ、朝から昼間にかけて撤去されていた)が懐かしく思われます。

尚、「立ちんぼ」(いわゆるストリートガール:露地で女性が男性を誘うダイレクト売春で、組織として行うものと、女性個人が行うものがあった)というのも類似した形態ですが、こちらも規制が厳しくなったため今ではほとんど見られません。ただ、むしろこの業態は昨今のネット売春に形を変えて生き残っていると考えたほうが正しいのかもしれませんが…。

置屋

現在ではほぼオモテに出てくることはありませんが、昭和50年代頃までは、特に観光温泉街などに割と普通にあった業態です。
やはり上述した「ちょんの間」エリアのようにグレーゾーンの花街から転じたものも多かったと思われます。

温泉街にある旅館や飲食店などが窓口になり、嬢をあっせんする形の売春で、それ専用のアパート(多くはその嬢の住まい)も用意されていました。
口コミや裏ジャーナル誌などで情報が伝達されることが多く、有名なところでは離島で、島まるごと売春エリアになっていたところもあるほどです(つい10数年ほど前まであった)。

ただ、現在は、観光地などのクリーン化が促進されたこともあってほとんど絶滅したか、リスクをとりながら更なる地下潜伏状態となっています(マーケットとして存在はしているようです)。

まとめ

この記事では、●番系風俗店の解説についてまとめてみました。

  • ソープランド
  • ちょんの間
  • ホテトル
  • 置屋

非●番系風俗店の考察については、続編である下記(2)をご覧ください。

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